あらすじ
猪丸(いまり)家に突然、謎の女が現れる。その名は、葦子(よしこ)。狐狗狸(こっくり)さんのお告げを伝える彼女が後妻に来てから、何かがおかしい……。そんなある日、屋敷の2階で密室殺人が起きた。惨事の元凶は狐狗狸さんなのか、はたまた……。旧家をおそった凄惨な事件を、刀城言耶が解明する!(「密室の如き籠るもの」) 表題作ほか、全4編収録。
刀城言耶シリーズはミステリーホラー系では一番好きな作品です
大抵のホラー作品は恐怖と言うか気味の悪さを残すために実は解決していないような展開が多いです
また、初期の三津田氏の作品がそうでしたが、現実とリンクしていって貴方のすぐ傍でも怪異が・・・って感じも苦手です
しかし、本作は一応の解決があります
但し、事件の底の部分に怪異が隠れているという感じでホラーを感じさせます
で、内容ですが
今回は4編の短編集・・・ではなく、表題作の中篇と3編の短編です
・首切りの如く裂くもの
「首無の如き祟るもの」で出て来た喉裂き魔の話ではなく、ある華族の屋敷が密集する住宅街の袋小路で発生した連続首切り事件後の首切り事件です
・迷い家の如く動くもの
毒消し売りの娘2人が見た屋根だけの消えた家と迷い家とその真相
・隙間の如く覗くもの
隙間を見ると別の景色を幻視してしまう女教師が巻き込まれた校長殺しの真相と理由
この作品は前作の「凶鳥の如き忌むもの」の後日譚ですので、先にそちらを読むことをオススメします
(読んでいなかったので、最後の部分がさっぱりわかりませんでした・・・)
・密室の如く籠もるもの
赤箱と言われる中身を見たものは死ぬと言われる箱が伝わる商家で起こった連続死と狐狗狸で占いをしていた後妻に起きた密室殺人事件の真相
と言う感じでの4編です
今回は短編と言うことで、普段の禍々しさは薄めで普通にミステリーとして読める作品が多いです
しかし、やはり事件の発端や死の原因には何かしらの怪異が潜んでいますねぇ
とりあえず、本筋はミステリーでありながらホラーのテイストを忘れなく、嫌な後味が残らないミステリー読みにオススメのホラー作品です
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- 2009/06/20(土) 23:29:05|
- 一般書
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